支援事例:カーザアルベラータ

《売上拡大》 人気イタリアンの新業態店舗開業

カーザアルベラータ
並木 一茂 (なみき かずしげ)様

拠点:千葉県香取市
業種:飲食業、ウェディング事業

当店は香取市佐原の重要伝統的建造物群保存地区にある明治7年創業の老舗商家「中村屋商店」の隠居宅を6代目に当たる並木一茂がリノベーションし、本格イタリアンのお店として2009年にオープンした。以来、観光客、リピーター客から高評価を得て「佐原グルメの代表格」とされ、佐原観光のランドマークの一つにまでなった。

【相談内容・きっかけ】

近年のインバウンド客の増加と外食産業の変化から佐原の飲食店も旧態依然とした経営から新たなニーズへの対応が迫られることになった。一方で、夜間営業している店は少なく、佐原の夜の街は閑散としたまま。地方衰退の一因ともなっている夜間営業の飲食店の少なさを解消し、佐原のナイトタイムエコノミーを盛り上げたいという相談者の思いから、小野川沿いの好立地にある家業の明治初期建築の蔵を改修し、新たな業態であるカフェバーとウェディング事業をオープンしたいという相談を受けた。

【支援担当者】

千葉県よろず支援拠点 コーディネーター
上坂 理(うえさか おさむ)

課題の整理と分析

相談者の地元活性化に対する熱意、独特の世界観と芸術的なセンスは特筆すべきものがあるが、一方で安定的かつ持続可能な経営計画が欠けていた。また新業態の店舗開業事に取り組むため、本店とシナジーを生む事業計画および、広報戦略、資金調達も課題となっていた。

解決策の提案と実施

【コーディネーターが提案したこと】

カフェバーとウェディングという新業態を始めるため、店舗コンセプトとサービス内容の立案から事業計画の策定、それに合わせて資金調達、小規模事業者持続化補助金の活用を提案した。

○アドバイス内容

コーディネーターと相談者が面談しながら店舗コンセプトとサービス内容を元に事業計画の案を作り上げ、金融機関からの資金調達および、またプロのデザイナーの登用による広報戦略と小規模事業者持続化補助金を提案した。

提案を受けて相談者が実行したこと

○相談者の行動

コーディネーターのアドバイスのもと事業計画の策定を行い、資金調達のための金融機関との折衝を行った。また、小規模事業者持続化補助金に採択され、外部のデザイナーを上手く活用して、ホームページ・販促物制作を行い、SNSを通した積極的なPRを行った。

○他の機関との連携

佐原信用金庫と連携し、地域を盛り上げて行くための取り組みとして、多面的に当社の支援を行っている。

支援の成果

佐原の古い街並みと相談者の世界観が調和し、佐原に今までにない感度の高い店舗がオープンした。地元住民の交流の場として連日盛り上がり、2019年の夏には相談者たち地元有志が企画したイベント「かとりナイトマーケット」が大盛況に終わり、当店の存在が佐原の新たな地域ブランドとなりつつある。ウェディング事業もオープン当初から安定した立ち上がりとなり、利益率の高さから経営の安定化に貢献している。今後は香取神宮と協働した地域資源活用型のウェディングにも取り組む。

ご相談者様の声

自分達だけでは思いつかないような企画を提案していただき、事業計画作成などは対話しながら自分の考えていることを計画として形にする支援をしていただいたのがとてもよかった。一方的な案ではなくヒアリングをしてから一番合った事業の進め方を教えてくれた。

 

支援のポイント

相談者は、自身の強みと弱み、地元を取り巻く環境をよく分析しているため、自身に足りないことの支援要望が明確であった。佐原の街のナイトタイムエコノミー推進と地域資源活用をいかに実現するか、当方が提案したプロのデザイナー活用しながら実施できたのが功を奏した。