支援事例:株式会社あおごち

《売上拡大》クラウドファンディング活用による商品開発とプロモーション展開

株式会社あおごち
山田 斉(やまだ ひとし)様

拠点:千葉県松戸市
業種:製造業

通信・電子機器等の企画、開発、製造を行う電気通信機器ベンチャー。代表の山田氏は腕時計型Bluetooth端末などの組み込みエンジニアを20年以上経験後、2011年独立。2017年に同社を設立。オートバイをこよなく愛すリターンライダーでもある。

 

【相談内容・きっかけ】

骨伝導の原理を利用したオートバイヘルメット専用のスピーカーを開発中。千葉県発明協会への商標申請に関する相談からスタート。開発と並行で、以降のマーケティング戦略について同協会へ相談したところ、よろず支援拠点に相談することを提案され訪問に至った。

【支援担当者】

千葉県よろず支援拠点 コーディネーター 中小企業診断士
北野 孝志(きたの たかし)

課題の整理と分析

初回ヒアリング時に、1.開発中製品のネーミングに苦戦していること、2.クラウドファンディングを活用した資金調達を検討していることの2点を確認。開発中ということもあり、製品仕様や特徴、ターゲット像は明確に定まっていたものの、ネーミングやターゲットへの伝え方に関する具体的な落とし込みについて課題となっていた。

解決策の提案と実施

【コーディネーターが提案したこと】

ネーミングやターゲットへの伝え方について、複数のヒアリングとディスカッションを経て、段階的に明文化していく作業を行った。併せて初期費用の軽減を図る目的で、県が実施しているクラウドファンディング活用補助金も提案。

○アドバイス内容

ネーミングは、商品の特徴や他社との違い、社名の由来等を整理すると共に、フォント選定(日本語・英語)、ロゴイメージへの展開のしやすさや響き等の観点から経営者とディスカッションしながら進め、最終的に「add sound」に決定。ネーミング決定と合わせ、キャッチフレーズや紹介リード文も提案。PR動画については、商品の利用シーンごとに切り分けた絵コンテ構成に関するアドバイスも実施。最終的には、製品リリースまでの全体的なプロモーション計画まで落とし込んだ。

提案を受けて相談者が実行したこと

○相談者の行動

コーディネーターのアドバイスのもと、商品名候補の洗い出しやクラウドファンディング紹介画面の制作を行い、計画通りクラウドファンディングでのプロモーションを開始した。

○他の機関との連携

千葉県発明協会では知的財産に関するアドバイス、よろず支援拠点では開発後のマーケティングに関する支援という形で、総合的に支援を行っている。

支援の成果

クラウドファンディングでは、3か月の目標額300万円に対して158%の470万円を達成。開発費用の捻出と共に、商品リリース前からクラウドファンディングを通じての販売売上が計上できた。派生効果として、今回作成した媒体をきっかけに、バイク用品メーカー等からの引合も発生。BtoB販売チャネルの開拓にもつながる見込みとなった。

ご相談者様の声

先ず思ったのは、ネーミングやキャッチフレーズの種は「自分の頭の中にある」ということです。ただ、それを明文化することが難しい。コーディネーターの支援を受けたことで、自分の思いが上手く伝わる表現に仕上がりました。またPR動画含めクラウドファンディング上での表現については、制作のポイントを専門的な知見から具体的にアドバイスいただいたことで、期待以上の成果につながったと感じています。

 

支援のポイント

2020年2月現在、コロナウイルスによる中国工場の影響を受け、リリースが遅れていますが、発送待ちのお客様からも励ましの声を多くいただいており、同商品の期待値の高さがうかがえます。同商品は顧客課題を的確に捉えており、開発段階から完成度は非常に高いものでした。あとは「顧客にいかに伝えるか」が課題でしたが、相談者の山田様は積極的かつ理解度も高く、建設的なディスカッションができたことが、良い成果につながった大きな要因だと思います。引き続き販路拡大の支援を行っていく予定です。